今日は数日振りにぽかぽか暖かく、天気もよい日だったので、居候ヒヨドリのひよちゃんの放鳥を決行しました。
 放すなら、あまり寒くならないうちに(そしてできればその辺の民家の庭に果物が実っている間に)放さなければ、と思っていたのですが、ちょっと飛ぶだけで息を切らすなど体力面での不安もありました。しかし今放さなかったらこのまま放せなくなるかもしれない…との懸念もあったため、だめならまた連れて帰るつもりで放すことに。

 病院の近所の公園に行くと、ヒヨドリが何羽か鳴き交わしている声が聞こえました。このヒヨドリたちの仲間に入れてもらえれば、餌のあるところにも付いていけるかもしれない…と思い、ここで放すことにしました。人の手を見て甘え声を出していたひよちゃんですが、人間の姿が見えなくなると立派なヒヨドリ声で歌いだし、外のヒヨドリとも鳴き交わしていたりしたのできっとヒヨドリとしての自覚はすぐに目覚めるに違いない、と願いつつ。
 が、箱から飛び出したひよちゃんはちょっと飛んだもののすぐに道路に墜落。もう一度飛ばしてみると、今度は林に向かって飛んでいったのですが、林から出てきたヒヨドリに威嚇されてしまいました。そうこうしているうちになんだかんだで私たちの手の届かないところまで行ってしまったので、連れて帰るのはあきらめてお別れすることにしました。

 完全な箱入り娘だったので心配です。すごく心配です。野生の厳しさなんて知らないのに明日からちゃんとやっていけるのかしら。寒くないかな。おなかすかせてないかな。いじめられたらどうしよう。。。

 病院に来た時点で、この厳しい世界の脱落者とも言える彼らが、また野生でうまくやっていける可能性はとても低いと思います。でもそれに手を貸すための微々たる技術と知識、豊富なチャンスを持つことができた者として、ただ傷を治して育てて「生かす」のみならず、彼らが自力で「生きていく」ために出来ることを考えてやらなきゃいけないと思いました。
 まだまだ勉強が足りない。これからの私の宿題にします。


 それにしてもほんとに心配。今日はごはん食べられた?もう寝てるかな?ひよちゃん、たまに姿を見せてくれないかな。多分わかると思うから。