今日は慰霊祭でした。
 北大獣医学部では動物慰霊祭というものを毎年秋、この時期にやっています。
実習や実験で命をいただいた動物、動物病院で治療の甲斐なく死んでしまった動物の冥福をお祈りする機会として、獣医学部が学部になる前(50年以上前?)から続いているそうです。

 私も実験で野生ネズミをたくさん犠牲にしているので、しっかりお祈りしました。



 獣医になるには、動物を殺さなければならない実習や授業が多々あります。私たちのジレンマでもあるのですが、たとえば実際に解剖して体の内部を見たり触ったり、外科手術の練習をしたりしたことがない人が突然獣医になって、人の大事なペットの命を預かれるかというと、無理です。飼い主の立場だったら私は嫌です。だからこそ、犠牲になる動物に対して「かわいそう」との思いはかえって失礼なんじゃないかと思っております。その命、無駄にせぬようたゆまず励むのが礼儀なんじゃないかな、というのをポリシィにやってきました。
 獣医の仕事って人間が自然や動物と適切に関わりあうための手伝いだと思います。獣医が人間である以上、動物さえよければ、というのは不自然です。基本は人間が快適に暮らすこと、そのうえでいかに周りの動物や自然とうまくやっていくか、その関係を持続させるかがテーマなんじゃないかな、と。人間が存在していることが今、現時点での自然なことなのですから。むずかしいなあ。

あぁ、なんか脱線してしまいました。